石油給湯機とふろがまの事故、主因は経年劣化

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製品評価技術基盤機構(NITE)は、2026年10月27日号の「製品安全情報マガジン」(Vol.511)で、石油ふろがまと石油給湯機の事故を取り上げました。NITEに報告される事故は年々減る傾向にあるものの、多くは長期使用によるものだとしています。給湯や風呂を使う機会が増える冬の前に、自宅や賃貸の設備が、ここで挙げられている点検制度の対象になっていないかを確かめておく内容です。

現在の特定保守製品は、石油ふろがまと石油給湯機の2製品

NITEのマガジンによると、現在、石油ふろがまと石油給湯機の2製品が「特定保守製品」に定められています。所有者による点検が難しく、重大な事故につながるおそれがあるためです。特定保守製品は、長期使用製品安全点検制度の対象で、製品に表示された設計標準使用期間(購入時からではなく、製造時期から数えた年数)を目安に、点検を受けることが求められます。なお、NITEの2017年10月の発表では、この制度の対象は、石油ふろがま、石油給湯機、FF式石油温風暖房機、屋内式のガスふろがま、屋内式のガス瞬間湯沸器(ガスふろがまとガス瞬間湯沸器は、それぞれ都市ガス用とLPガス用で別に数えます)、ビルトイン式の電気食器洗機、浴室用の電気乾燥機の、9品目とされていました。2017年の時点では9品目、現在は2製品に絞られている、という整理になります。

マガジンが挙げた3つの事故の例

NITEが紹介している事例は、次の3つです。事故の件数や死傷者数の具体的な数字は、Web版の本文には書かれていません。

  • 燃料系統の劣化:34年使用した石油給湯機で、送油ホースや電磁ポンプのOリングが劣化して灯油が漏れ、引火しました(2023年、青森県)。使用者は、2年ほど前から運転中に止まる不具合に気づきながら、使い続けていたとされています
  • 燃焼不良:28年使用した石油給湯機付ふろがまで、バーナーノズルの汚れや点火棒の消耗により燃焼不良が起き、機器内の未燃灯油に引火しました(2024年、栃木県)
  • 空焚き防止装置の無効化:使用者が装置を機能しない状態で使い、空焚きで出火しました。この製品は、2007年にリコールが出ていた未対策品でした(2023年、岩手県)

NITEが呼びかける、確認したいこと

NITEが挙げている事故防止策を、まとめて整理します(マガジンの記載は13項目で、ここでは主なものを8つにまとめています)。

  • 不具合を放置せず、使用を中止して、販売店や製造事業者に相談する
  • 「NITE SAFE-Lite」で、リコール対象かどうかを確認する
  • 所有者情報を登録し、点検の案内が届いたら点検を受ける。点検は基本的に有償なので、料金を事前に確認し、訪問業者には注意する(消費者ホットライン「188」も案内されています)
  • 煙突や排気口の詰まりや外れに注意し、本体の周りに可燃物や洗濯物を置かない
  • 空焚きをしない(浴槽の水量を確認してから点火する)
  • 外壁の養生シートで排気口を塞いだまま使わない。本体を波板や壁で囲わない
  • 変質した灯油や不純な灯油、ガソリンを使わない
  • 灯油タンクや送油ホースからの漏れを確認し、屋外ではゴム製の送油ホースを使わず、タンク内の水やゴミを定期的に抜く

マガジンは、2009年4月以前に製造された製品はこの制度の対象外だが、点検を勧めている、とも書いています。34年や28年使われた事例とつながる点です。

所有者登録と点検の仕組み、賃貸の場合

NITEの2017年の発表によると、長期使用製品安全点検制度は、平成21年に設けられ、長期間の使用による経年劣化が原因の事故を防ぐことを目的にしています。新たに対象製品を買った人は、所有者の情報を製造・輸入事業者に登録し、点検を受けることが求められます。当時の登録率は、平成29年3月末で、販売台数の約39%にとどまっていました。今回のマガジンも、所有者情報を登録し、点検の案内が届いたら受けるよう呼びかけています。案内は、登録した所有者に届く仕組みです。同じ発表は、マンションやアパートの管理者も、設備として購入した場合は登録と点検が必要だと説明しています(2017年時点の説明です)。賃貸住宅に住んでいる人は、設備の持ち主が大家さんや管理会社であることがあるため、点検の窓口を管理会社に確認しておくと安心です。これは筆者の提案です。

古い数字だが、「10年以上」の事故が多いという傾向

NITEの2017年の発表では、平成24〜28年度の製品事故情報715件のうち、使用期間が分かった634件の約69%(435件)が、10年以上使われた製品によるものでした。このうち約57%(248件)は火災を伴っていたとされます。ただし、この数字は、9品目全体のもので、石油ふろがまや石油給湯機だけのものではなく、データ自体も10年以上前の年度のものです。今の状況を示すものではありませんが、経年劣化が事故の主な原因だという、今回のマガジンの説明と、向きは同じです。

個人的に気になるのは、制度の網から外れやすい古い機器です。マガジンによると、2009年4月より前に製造された製品はこの制度の対象外で、所有者登録や点検案内の仕組みに乗っていません。34年使用の事例では、使用者が2年ほど前から運転中に止まる不具合に気づきながら使い続けていたとされ、案内を待つだけでは防げない場面があることがうかがえます。製造から年数がたった機器なら、まず「NITE SAFE-Lite」で型番を照合し、気になる症状があれば販売店や製造事業者に点検を相談する、という順で確かめるのが現実的だと考えます。

出典

2026年10月28日時点の情報です。

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