東芝ライフスタイルは2026年10月27日、新ブランド「WarM(ウォーム)」の単機能電子レンジ「ER-WM01C」を12月に発売すると発表しました。国内の家庭用電子レンジとして初めて(2026年10月27日現在)、半導体発振を使った加熱方式を採用したとしています。価格はオープンで、Impress Watchは、市場想定価格を65,780円前後と伝えています。月間の販売目標は1,500台です。
上から半導体、下からマグネトロンの2方向で温める
電子レンジの加熱は、一般に「マグネトロン」という部品が担っています。マグネトロンは強い出力が得られる一方、電波の周波数が固定されるため、食品の一部が温まりすぎて加熱ムラが出やすいと説明されています。ER-WM01Cは、庫内の上側に半導体発振の部品を、下側にマグネトロンを置き、上下の2方向から加熱します。半導体は、周波数を細かく調整できるため、加熱ムラを減らせる、というのがメーカーの説明です。
注意したいのは、半導体による加熱が使われるコースが限られる点です。東芝の発表によると、半導体発振による加熱が使われるのは、自動コースの「すごラクあたため」、「市販の冷凍食品あたため」、「極み全解凍・極み半解凍」に限られます。それ以外の使い方では、従来のマグネトロンが担います。「すごラクあたため」は、食品の種類や温度を見分けて自動であたためる機能で、1品でも2品同時でも使えます。
センサーが「冷たい部分」を探す
温度の見張りには、2種類のセンサーが使われます。64眼の赤外線センサーは、食品の表面温度を読み取ります。「あたためバランスセンサー」は、食品から反射してくる電波を測り、冷たい部分にも電波が届くように加熱を調整します。東芝は、この2つのセンサーによって、加熱ムラを抑えた自動あたためを実現したとしています。
極み解凍は、ひき肉100gが約1分30秒
解凍の速さについて、東芝は、ひき肉100gの解凍時間が、「極み解凍」で約1分30秒、2024年度発売の「ER-S10A」の解凍モードで約3分30秒だと示しています。同社は、全てほぐせる状態まで解凍できる一方、旧機種ではかたまりが残る、と説明しています。コースは、ひき肉や薄切り肉向けの「全解凍」と、冷凍刺身向けの「半解凍」の2つです。
これらは、メーカーが示した条件での数値です。実際の加熱ムラの改善度や、家庭での使い勝手は、発売後の実機の評価で確認する必要があります。
2品を同時にあたためる機能と、手入れのしやすさ
「すごラクあたため」は、冷えたおかずと冷凍ごはんのように、温度の違う2品を一度にあたためることもできます。「市販の冷凍食品あたため」は、市販の冷凍食品を、時間の設定なしで自動であたためます。庫内の側面と奥の壁には、汚れがこびりつきにくい「とれちゃうコート」が施され、ドアは取っ手のない形です。左右と背面の壁にぴったり寄せて置けますが、東芝の発表には、熱に弱い壁、家電、家具、コンセントがある場合は、記載の寸法以上のすき間をあけること、後方がガラスの場合は20cm以上あけること、仕様表に上方10cmとあることが書かれています。
発表から読み取れる使い方の中心は、あたためと解凍、2品の同時あたためです。東芝の発表には、省エネ法の区分が「A:単機能レンジ」と書かれており、オーブンやグリルの機能は無いと見られます(当サイトの判断です)。
主な仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 総庫内容量 | 21L(単機能レンジ) |
| 高周波出力 | 1,000W(最大2分間、その後600W) |
| 消費電力 | 1,400W |
| 年間消費電力量 | 60.1kWh/年(省エネ法の区分はA:単機能レンジ) |
| 外形寸法 | 幅468×奥行407×高さ349mm |
| 質量 | 約16kg(Impress Watchによる) |
| 色 | ブラック(1色) |
| 発売 | 2026年12月 |
| 価格 | オープン(市場想定価格は65,780円前後。Impress Watchによる) |
出力は、1,000W(最大2分間、その後600W)、600W、500W、200W、100Wの5段階です(東芝の仕様表による)。
半導体発振が働くのは自動コースだけ、という点から見る
ER-WM01Cを考えるときは、半導体発振が働くのが自動コース(すごラクあたため、市販の冷凍食品あたため、極み解凍)に限られる点から整理すると分かりやすくなります。出力と時間を自分で決めてあたためる使い方では、従来どおりマグネトロンだけの加熱で、1,000Wも最大2分で600Wに切り換わります。そのため、市場想定価格の65,780円前後をどう受け止めるかは、普段どれだけ自動コースに任せているかで変わってきます。冷凍ご飯とおかずの同時あたためや、ひき肉の解凍を日常的にする家庭と、手動であたためることが多い家庭とでは、新しい加熱方式を生かせる場面の数が大きく違うはずです。置き場所については、左右と背面は壁に寄せられる一方、上方10cm、背面がガラスなら20cm以上の空きが必要とされている点も、寸法と合わせて確かめておきたいところです。なお、この記事は発表内容の紹介で、特定の製品の購入を勧めるものではなく、性能は実機で確認していません。
出典
- 東芝ライフスタイル ニュースリリース「半導体発振技術を用いた業界初の加熱方式を採用 加熱・解凍ムラを抑えた単機能レンジ発売」(2026年10月27日)
- Impress 家電 Watch「東芝、家庭用初の半導体発振技術であたためる電子レンジ 加熱ムラ軽減」(2026年10月28日)
2026年10月30日時点の情報です。
