消費者庁は2026年10月30日、重大製品事故の公表の中で、アンカー・ジャパンが輸入した充電式スピーカーの事故を特記事項として取り上げました。事務所で使用中に、異音とともに製品が焼損する火災が発生した、という内容です。この製品は、2025年10月21日からリコール(回収・交換)が行われている「Soundcore Motion X600」の対象製品にあたります。消費者庁の資料によると、リコールの回収率は2026年10月29日時点で48.7%で、対象台数は11,200台です。この記事では、消費者庁の資料とアンカー・ジャパンの案内に沿って、対象の確認方法と、持っている場合の対応を整理します。
対象は2023年4月24日〜2025年10月21日に販売されたMotion X600
消費者庁の資料に載った対象製品の情報は、次のとおりです。
- 製品名:Soundcore Motion X600
- 型番と色:A3130011(スペースグレー)、A3130031(ブルー)、A3130061(レッド)
- JAN(EAN)コード:4571411209314(スペースグレー)、4571411209987(ブルー)、4571411209994(レッド)
- 販売期間:2023年4月24日〜2025年10月21日
- 対象台数:11,200台
なお、アンカー・ジャパンのお知らせ(2025年10月21日付)には、型番がA3130、対象の色がスペースグレー、ブルー、グリーンで、ホワイトは対象外、と書かれています。食い違うのは3色目で、消費者庁の資料はレッド(型番A3130061)、アンカー・ジャパンの案内はグリーンです。アンカー・ジャパンの案内では、対象かどうかを、製品に記載されたシリアルナンバーで判別するとされています。迷うときは、アンカー・ジャパンの窓口に問い合わせてください。このお知らせは、4製品をまとめた「Ankerグループ4製品に関するお詫びと自主回収のお知らせ」で、Motion X600はその1つです。
確認方法:本体の「SN:」のあとにある、Aから始まる16桁
アンカー・ジャパンのお知らせによると、製品本体に記載された「SN:」のあとにある、Aから始まる16桁のシリアルナンバーを確認します。オンライン受付フォームにシリアルナンバーを入力し、対象と判定された製品が回収の対象になります。消費者庁の資料には、「確認方法」として製品の外観や確認する場所の図が載っています。
原因:電池セルの製造工程で、異物が混入した可能性
消費者庁の資料によると、アンカー・ジャパンは、電池セルの製造を委託しているサプライヤーの製造工程で、特定の時期に異物が混入している可能性がある製品が国内で出荷され、使用に伴って電池セルの内部短絡が起こり、火災に至る可能性があることが分かったと説明しています。アンカー・ジャパンのお知らせには、電極体を切断するときに出る細かな異物の処理が、適切に行われない環境で、セルが組み立てられた、との説明があります。また、同じお知らせの中には、特定の製品において発火する事象が日本国内で発生した、との記載があります(4製品をまとめたお知らせのため、どの製品で起きたかは書かれていません)。
今回の事故とリコール原因との関係は、現時点で不明
消費者庁の資料に載った事故(管理番号A202600846)は、事務所で使用中の充電式スピーカーが、異音とともに焼損する火災を起こしたものです。事故の原因は調査中です。資料は、この事故が、上記のリコールの原因によるものかどうかは、現時点では不明としています。また、これらの公表は、報告の概要で、事実関係が確認されたものではなく、消費者庁が原因などの評価を行ったものでもない、速報段階のものだとの留意事項も付いています。
リコール対象の内容による事故の件数(原因調査中を含む)も示されています。2026年度は2件(いずれも火災)で、2025年度、2024年度、2023年度は0件です。今回の事故はこの件数に含まれていません。
持っている場合:使用を中止して、窓口へ連絡
消費者庁の資料は、対象製品を持っていて、まだ回収・交換を受けていない人に、直ちに使用を中止し、速やかに窓口へ連絡するよう求めています。窓口は次のとおりです。
- アンカー・ジャパン 受付窓口:電話 0120-775-171(受付9:00〜17:00、土・日・祝日を含む)
- オンライン受付フォーム:24時間(アンカー・ジャパンのお知らせにあるフォーム)
アンカー・ジャパンのお知らせは、対象製品の新規の出荷と販売を止めたこと、影響範囲の確認が済んだことも伝えています。お知らせには、返金や交換の具体的な手順の記載はありません。
対象と分かった製品は使用中止、分からない場合はまず確認
ここからは一般的な確認事項です。消費者庁は、対象製品について「直ちに使用を中止」するよう求めています。対象かどうかが分からない場合は、まず、本体のシリアルナンバーと型番を確認してください。確認が済むまでの間は、電源につないだまま人のいない部屋に置いておくこと、布団や紙類の近くで充電することは、避けたほうが安心です。
筆者の見方:職場の共用スピーカーは、回収の連絡が届きにくい
ここからは筆者の見方です。回収率が48.7%ということは、リコールの開始(2025年10月21日)から約1年がたった時点で、対象の約半数が、回収・交換を終えていない計算になります。残りの中には、すでに使われていない製品もあるかもしれませんが、資料からは分かりません。今回の事故が事務所で起きたことは、気になる点です。アンカー・ジャパンは、ウェブサイトへの掲載、プレスリリース、メールマガジン、DMで周知したとされています。メールマガジンやDMは購入した個人に届くため、職場で共用されているスピーカーのように、購入者と実際の使用者が別の場合は、連絡が届きにくいのではないか、と筆者は考えます(推測です)。2026年度のリコール対象での火災が、すでに2件報告されていることも踏まえると、職場や家族と共用している製品は、型番とシリアルナンバーを、使う人の側からも確認しておく意味があります。今回の事故がリコールの原因によるものかどうかは、原因調査の結果を待つ必要があります。
参考にした公式情報
- 消費生活用製品の重大製品事故:リコール製品で火災等(スピーカー(充電式))(10月30日)(消費者庁)
- 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について(令和8年10月30日、消費者庁、PDF)
- Ankerグループ4製品に関するお詫びと自主回収のお知らせ(アンカー・ジャパン、2025年10月21日)
2026年11月4日時点の情報です。
